その予想、
コインで試そう。
たった1枚のコインに、意外な世界が隠れている。
まずは直感で。答えは、遊んだあとで。
いくらなら参加する?
表が続くと、賞金はどんどん2倍。裏が出たら、おしまい!
1回目で裏:2円 → 2回目:4円 → 3回目:8円 → … → 10回目:1,024円
このゲーム、1回いくらなら参加する?
正解を探さず、あなたの直感で選んでみよう。
最初の1回、どうなる?
まずは3回、遊んでみよう。
何度も繰り返すと、平均賞金はいくらになる?
たくさん遊べば、予想に近づく?
好きな回数で実験しよう。結果は積み重なります。
大当たりの前後を優先して描画。線の急なジャンプに注目しよう。
どの段にも「1円」が隠れている。
「その賞金が出る確率 × 賞金」を、全部足すと…
1 + 1 + 1 + 1 + … = ∞
これは「サンクトペテルブルクのパラドクス」として知られています。無限に続けられ、どんな賞金も払えるという理想のゲームでは、期待値に上限がありません。でも、有限回の実験の平均が必ず大きくなるわけではありません。
期待値が∞なら、10万円払って参加する?
絶対に勝てそうな作戦
表なら掛け金ぶんの利益。裏なら掛け金を失う。
負けたら次は2倍。勝ったら100円に戻す。それだけ。
1回勝てば、全部取り返せる…?
100 → 200 → 400 → 800 → 1,600円…。100円・200円と負けても、400円で勝てば合計+100円!
所持金10,000円で、スタート。
最初の掛け金は100円。
その「うまくいく」、みんなも同じ?
全員10,000円・最初の掛け金100円。1回=各人がコインを1回投げます。資金不足の人は、その時点の資産を残してストップ。
1つの丸が1人。あなたは、どの結果を予想する?
めったに起こらないことを、
無視していいの?
ほとんどは、小さな賞金。
なのに数学的な期待値は∞。
まれな巨大賞金が、平均を動かす。
たいていは、小さく勝てる。
なのに、まれな連敗で大きな問題が起こる。
これが「マーチンゲール法」の落とし穴。
「ほとんど」と「平均」は同じではない。結果の広がりにも目を向けよう。
もっと知りたい
期待値って、何?
起こりうる結果に、それぞれの確率をかけて足した値。1回でその金額がもらえるという約束ではありません。極端な結果があると、多くの人の実感ともずれます。
E[X] = Σₓ x P(X = x)サンクトペテルブルクのパラドクス
n回目に初めて裏が出る確率は1/2ⁿ、賞金は2ⁿ円。それぞれの積は1円なので、無限に足すと発散します。現実には時間や支払える賞金に限りがあり、この理想の条件とは違います。
P(N=n)=2⁻ⁿ, E[2ᴺ]=Σₙ₌₁∞ 1=∞例えば賞金の上限が2ᴷ円なら、期待値はK+1円。試行回数が少ないと、巨大な賞金はほぼ観測されません。
マーチンゲール法は、なぜ強そう?
負けるたびに掛け金を倍にする作戦です。k回負けた後に勝つと、過去の損失を取り返し、100円の利益になります。ただし、そこまで賭け続けるお金が必要です。
100·2ᵏ − 100(2ᵏ − 1) = 100公平なコインなら、各賭けの期待利益は0。掛け方を変えてもプラスにはなりません。有限回で止める今回の実験でも、平均資産は実験ごとに10,000円の上下にばらつきます。
有限の資金だと、何が起こる?
6連敗すると合計6,300円を失います。最初の10,000円だけなら残り3,700円で、次に必要な6,400円を払えません。「資金不足」は所持金0円とは違い、作戦を続けられない状態です。
k連敗の損失 = 100(2ᵏ−1) / 次の掛け金 = 100·2ᵏ1000人実験の平均には、止まった人の残りの資産も含みます。中央値は、全員を資産順に並べた真ん中の値です。
「起こりにくい」と「起こらない」
次の6回が全部裏になる確率は1/64。小さく見えても、大勢が何度も遊べば出会う機会は増えます。短い実験で起きなかったことも、起こらないとは言えません。
P(次のk回がすべて裏) = 2⁻ᵏゲーム1でも、平均はなだらかに増えるとは限りません。長く下がったあと、1回の大当たりで跳ねることがあります。